今、人生で一番お風呂が嫌いです − 手術から31日目の告白 −

赤ちゃんの頃、お風呂が好きだったかなんて、もちろん覚えていません。でも、少なくとも今ほどお風呂の時間が嫌いじゃなかったことは確かです。

前立腺を全摘する手術を受けてから、今日で31日目になりました。おかげさまで体調は回復に向かっていますが、一つ、どうしても向き合えない時間があります。それが、「お風呂」の時間です。

退院してから、まだ一度も湯船に浸かっていません。シャワーだけで済ませています。別に、湯船が怖いわけではありません。怖いのは、その手前にある、ほんの短い時間です。

お風呂に入る前、身体を洗うために紙パンツを脱ぎます。一日中お世話になっている紙パンツと紙パッドから解放される、唯一の時間のはずです。ですが、これが今の私にとって、一番辛く、怖い時間になってしまいました。

紙パンツを脱いだ、その瞬間です。

意に反して、尿が止められず、そのままツーツーと足を伝っていく感触。

どうしようもない現実を突きつけられる、この瞬間が、情けなくて、みじめで、たまらなく嫌なのです。

鏡に映る自分の姿が、ひどく弱々しく見えてしまいます。なんで、こんなことも自分でコントロールできないんだ、と。

一日のうちで、唯一、何にも縛られず、身軽になれるはずの場所。心身ともにリラックスできるはずの時間。それが、私にとっては「現実のお前はこうなんだ」と、突きつける拷問のような時間になってしまいました。

手術を乗り越え、回復している実感はあります。でも、このお風呂の時間を迎えるたびに、まだまだ自分は手術の影響から抜け出せていないのだと、思い知らされるのです。

いつか、この時間も気にせず、笑って「いやー、あの頃は大変だったよ」と話せる日が来るのでしょうか。今はまだ、その光が見えませんが、少しずつでも、お風呂の時間が怖い時間ではなくなるように、前を向いていけたらと思っています。

同じように、術後の排尿トラブルで悩んでいる方がいらっしゃったら、あなたは一人じゃない、と伝えたいです。私も、今、この現実と必死に向き合っています。


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